香港「JCHomes」プロジェクトとの視察交流を行いました

5/26、香港中文大学が主導する香港ジョッキークラブ「健康なコミュニティ・リビングルーム(JCHomes)」プロジェクトの皆さん11名が、ART & HEALTHきょうとの活動見学に来てくださいました。
参加者は、大学関係者、学生、ファンデーション関係者、ケアワーカーなど、多様な立場の方々です。
JCHomesは、地域のつながりやウェルビーイング、社会的孤立予防などをテーマに取り組んでいるプロジェクトです。

前半は、ハローシアターのメンバーと一緒に表現ワークショップを体験していただきました。

その後「人生で最も幸せだった瞬間」をテーマに、グループごとにストップモーションづくりを行いました。ある男性メンバーは「会社の借金を返し終えた瞬間」、ある女性メンバーは「ひ孫が生まれた瞬間」をテーマに語り、香港の皆さんとハローシアターのメンバーが一緒にその場面を身体で表現しました。

言葉や国を超えて、人生経験や感情を共有する時間となり、参加者同士の距離が自然に縮まっていく様子が印象的でした。

後半は、ART & HEALTHきょうとの活動紹介を行いました。
私たちは、高齢者の表現活動、回想法、病気のある方との共同創作などを通して、人と人とのつながりや、その人らしさを支える場づくりに取り組んでいます。

回想法プロジェクトについては、メンバーのSさんが、高齢者施設で行ったアルバム本づくりについて紹介しました。
参加者と一緒に思い出深い写真を選びながら人生を振り返る中で、夫婦がお互いに「ありがとう」と言葉を交わされたエピソードが印象に残っていると話されました。

パーキンソン病演劇については、当事者であり原作者でもあるMさんが、自身の経験をもとに台本を書いた経緯や、ハローシアターのメンバーとの共同創作について紹介しました
上演後には、当事者から「自分と同じ人がいると感じ勇気をもらった」、医療・福祉関係者からは「現場では見ることがない患者さんの内面や状況を知ることができた」といった感想が寄せられ、嬉しかったとお話しされました。

また、メンバーのOさんからは、行政は制度や法的根拠に基づいて支援を行う一方、市民活動にはより柔軟に人に寄り添える側面があること、そして介護や福祉の現場と表現活動をつなぐ可能性についてお話がありました。

交流の最後には、「なぜこの活動を始めたのか」「なぜ参加者はこの活動に来たのか」といった質問が寄せられました。
また、「参加させてくれてありがとう」という言葉もいただき、互いの実践から学び合う時間となりました。

高齢化や社会的孤立が課題となる中、文化活動や表現の場が、地域で人を支える一つの資源となる可能性について、改めて考える機会となりました。

今後も、地域や分野、国を越えた交流を続けながら、実践を深めていければと思っています。

パーキンソン病とともに生きる〜演劇 × パネルディスカッション〜(2026年4月)

2026年4月12日、当事者の方とご家族の会である「全国パーキンソン病友の会京都府支部」主催、「(一社)ART & HEALTH きょうと」共催、公益財団法人 京都健康管理研究会の助成により、本イベントを開催しました。

当事者の葛藤を描いた「演劇」と、リハビリの専門家を交えた「ディスカッション」。この二つを組み合わせることで、病への理解を深めることを目指した新しい試みです。

2回公演の参加人数は、延べ140名。第1回目はパーキンソン病当事者の方やご家族が中心、第2回目は医療・福祉関係者や一般の方々が中心で、幅広い層の方にご来場いただきました。

第1部:演劇上演「飛べ!ポンコツロボット 」(出演:50歳からのハローシアター )

当事者の体験から生まれた演劇「飛べ!ポンコツロボット」では、
思うように動かない身体と向き合う日常や、葛藤が描かれ、
「自分の心がそのまま映し出されたようだった」「勇気をもらえた」といった声が多く寄せられました。

第2部:パネルディスカッション 「パーキンソン病の現実と希望」

続くディスカッションでは、パーキンソン病友の会京都府支部会員の皆さんと作業療法士、言語聴覚士、理学療法士、音楽療法士などの専門職が同じ場で言葉を交わし、リハビリの意味やあり方について、多様な視点から意見を述べあいました。
リハビリは単なる機能回復ではなく、「やりたい」という心の動きや人とのつながりの中で育まれるものである――そんな気づきが会場に広がりました。

〜アンケートより〜

●「まるで自分の話のようで、一人ではないと思えて心が軽くなった」(パーキンソン病当事者)
●「普段接しているだけでは見えにくい、当事者の内面についての理解が深まった」(医療・福祉専門職)
●「パーキンソン病について、初めて自分事のように感じることができた」(一般来場者)

当日は幅広い立場の方にご参加いただき、アンケートでも高い満足度が得られました。
演劇というアートをきっかけに、当事者同士の共感と支え合い、社会への理解が広がる貴重な機会となりました。

ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました!

(一社)ART &HEALTH きょうと では、演劇「飛べ!ポンコツロボット 」の上演や、演劇の手法を使ったリハビリWSについてのご相談を承っております。
医療、福祉、教育関係の方々との共同プログラム開発のご相談も受け付けております。
ご関心のある方は、こちらをクリックしてお問い合わせください。

スコットランド ステージイベント「hanabi」参加ご報告(2025年6月)

細見 佳代(演劇講師/(一社)ART & HEALTHきょうと 代表理事)


50歳からのハローシアター 星組のメンバーは、2025年6月、スコットランドのシニア劇団「TrickyHat」がグラスゴーで行うイベント「hanabi」に参加しました。
「TrickyHat」と「50歳からのハローシアター」は、どちらも参加者のライフストーリーをベースに作品創作をしており、2021年から交流を深めています。「hanabi」では「高齢者の表現活動や社会参加」をテーマに、ワークショップと上演が行われました。

1. トリッキーハット主催「hanabi」前日ワークショップ(2025年6月13日)

会場:グラスゴー・レンフィールドセンター
参加者:約50名(仙台から5名、京都から4名、スコットランド約40名)

【前半:国際交流ワークショップ】

筆者(細見)が進行を担当。主催のトリッキーハットから「文化交流を促してほしい」と依頼され、以下3つの目的で実施しました。

● 息を合わせること
● 親しくなること
● 創造的な気持ちを高めること

主なアクティビティ例:

● 5秒間でできるだけ多くの人と握手
● ハイタッチで名前を呼び合う
● 今日の気分を体で表現し、真似する
● 「山」「雨」「虹」など自然をテーマにグループ創作

グループで「雨」を表現する

グループ創作では言葉を超えてすぐにイメージが共有され、参加者同士のつながりが深まりました。
「今日、娘に“私は虹になったのよ”って話すわ」と語るスコットランドの参加者の言葉が印象的でした。

参加者の声より:

●「私たちのグループは「雨」を表現しました。自然と打ち解けて、休憩中にはみんなで一緒にランチも楽しみました。(仙台)
●「年を重ねているせいか、皆さんに包容力があり、お互いのアイデアをすぐに受け入れることができました。文化は国境を越えるものだと実感しました。」(京都)

【後半:フラッシュモブの振付づくり】

後半は、トリッキーハットの演出家イアンさんと振付家ローラさんがリードし、翌日に上演するフラッシュモブを振り付けました。前半にグループで作った「自然」の動きが活かされ、少人数で表現した「虹」や「山」が、50人の大きな動きへと発展していきました。

4人の虹が50人の虹へ

また「手」をテーマにした即興セリフが加えられ、作品に深みが加わりました。私たちの劇団「50歳からのハローシアター」でもこの数年「手」をテーマに創作していたので、国を越えて同じテーマが追求されていることに親近感を抱きました。

イアンさんの言葉:「みんなの意見を一致させることより、異なる意見を尊重することが大切」

短時間ではありましたが、このワークショップは、参加者一人ひとりが自身の個性や物語を主体的に表現する場となり、日本とスコットランドの高齢者同士が、心の奥深くで気持ちを通わせる貴重な機会となりました。


2. セリフリハーサル:「年を重ねること」を語る

イベントでは、「年を重ねること」をテーマに、仙台・京都から1名ずつが語りを担当しました。
京都からは、33歳の厄年に母から贈られた「赤い帯」にまつわるエピソードが語られました。
当初は迷信のように感じていたその帯も、さまざまな苦労を経て還暦を迎え、さらに卒寿となった今、母が帯に込めた長寿への願いが次第に理解できるようになったという内容です。
体調不良のため語り手本人は渡航できませんでしたが、別の参加者が赤い帯をつけて登場し、着物姿でそのお話を披露しました。

京都の語り手とスコットランドの語り手

感想:「とても美しい話だった」「心に響いた」

日本の伝統的な慣習や家族の想いが、スコットランドの観客の心に届いた瞬間でした。


3. 本番:歳をとることを祝うイベント「hanabi」(2025年6月14日)

会場:CCA(グラスゴーの現代アートセンター)

日本からの参加団体:

● 50歳からのハローシアター (京都)
● NPO法人アートワークショップすんぷちょ(仙台)
● 一般社団法人 ロスホコス(京都)

映像・語り・ダンス・演劇など、多様な表現が交差し、観客と出演者が一体となるイベントとなりました。国際的な高齢者の舞台表現の可能性を感じる濃密な時間でした。

フラッシュモブ

4. スコットランド アート×福祉団体リサーチ(6月11日〜12日)

6月11日から12日にかけて、アートと福祉をつなぐスコットランドの5つの団体を訪問し、リサーチを行いました。特に高齢者の創造活動を支援する「Luminate(ルミネート)」と「Dance Base(ダンスベース)」の取り組みが印象に残りました。

訪問団体(一部):

● Luminate(ルミネート):高齢者の創造的表現を年間通じて支援する非営利団体。
●Dance Base(ダンスベース):スコットランド国立ダンスセンター。高齢者・パーキンソン病の方を対象としたプログラムあり。

得られた視点(キーワード):

◎ 当事者性:創造の主体として高齢者自身の声と意志を尊重する姿勢。
◎ パートナーシップ:人材や資金面の課題に、ネットワークを活かして取り組む姿勢。

今回のリサーチで得た視点を、日本での活動にも反映し、アートと福祉の繋がりをさらに広げていきたいと感じました。


(レポート:細見 佳代 /写真:Brian Hartley)

ドラマチックな幸齢者たち〜人生100年時代のステージ

2024年9月16日(敬老の日)、22日(日)に開催された「ドラマチックな幸齢者たち〜人生100年時代のステージ」は、おかげさまで大盛況のうちに幕を閉じることができました。ご参加、ご観劇いただきました皆様、本当にありがとうございました。

年齢を重ねるほど人生はドラマチックになる
ファッション・朗読・演劇ーー表現を楽しむ大人たち

●日程 9月22日(日)
●場所 kokoka京都市国際交流会館イベントホール https://www.kcif.or.jp/web/jp/access/
●時間 14時開演(13時30分開場)

●料金 2,000円(前売券/当日券とも)   

●内容

<第1部> ファッションと語り「想い出をまとって」
      朗読 「あなたへの手紙」

<第2部> 演劇上演「50歳からのハローシアター版 地獄八景亡者戯」

    ※ 注意事項
    内容は変更になる場合がございます。

★ 9月16日(敬老の日) 即興劇ワークショップ1日体験

●日時 9月16日(月・祝)13:20〜14:40
●会場 左京東部いきいき市民活動センター(京都市バス「東天王町より徒歩5分/地下鉄東西線「蹴上駅」より徒歩15分」
●料金 500円
●内容 発声、ジェスチャーゲーム、関係性の表現など
●定員 4名から20名
● 講師 細見佳代(演劇講師/(財)静岡県舞台芸術センター専属俳優を経て「50歳からのハローシアター」を主宰。芸術修士。社会福祉士資格所持。
●お申し込み NBK12508@nifty.com まで、お名前とご連絡先をお知らせください。

※ご予約・お問い合わせ ホームページの「お問い合わせ」欄より、ご連絡ください。

前売り完売しました。

主催 50歳からのハローシアター
共催 NPO法人サクセスフル・エイジング・ネットワーク

助成 京都府文化力チャレンジ補助金・大阪コミュニティ財団